名盤ガイドに必ず載っていながら、長らく廃盤だった本アルバムを友達の家で
聴いた時、おいらはジャズファンとして本当に幸せな気分に浸る事ができた
ノーマン・グランツのヴァーヴやボブ・ワインストックのプレスティッジ
と言うレーベルは、オーナーの良い意味での“横着ぶり”が発揮された
オールスター寄せ集め一丁上がりセッションが多い事で知られているが
これもその一例だ。
一丁上がりとは言葉が悪いが、裏を返せば、ミュージシャンが好きなだけ
のびのびとブロウできると言う事である。
エルモ・ホープのアルバムは比較的暗い印象の作品が多いが
本アルバムは非常に健康的で明瞭な仕上がりになっている。
エルモ・ホープをリーダー名義にしてあるが、実際は、自由なブローイング・セッション
である事がその理由ではないだろうか。
1曲目の「ウィージャ」はエルモ・ホープの作曲とクレジットされているが、チャーリー・パーカーの
名曲「Confirmation」をハードバップ時代になって以降、演奏される際にラストコーラスで
よく使われるようになったリフだ。
本当にエルモ・ホープの作った旋律なのかどうか色々な資料で確認してみる作業も
ジャズファンに与えられた大きな楽しみのひとつだ。
本アルバムはジョン・コルトレーンの快演作としても有名だが
むしろ、「Avalon」で聴けるようなハンク・モブレーの快調さにも注目したい。
インフォーマル・ジャズ/エルモ・ホープ
インフォーマル・ジャズ/エルモ・ホープ に加筆・修正を加え転載。
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